川村 尚彦
Naohiko Kawamura
フォトグラファー
1989年(平成元年)、長野県飯島町に生まれる。
作品のメインテーマは風景写真であり、現在は北海道を拠点に活動。
作品のメインテーマは風景写真であり、現在は北海道を拠点に活動。
私と風景写真
私は、小学生のときに写真に目覚めました。もの心ついたころから自然の中で遊ぶのが大好きで、学校から帰ると毎日のように友達と野山川をかけまわっていました。中でもお気に入りは近所の林の中にあった川で、そこは魚の宝庫でした。網をもってその川にかよい、全身ずぶ濡れになりながら魚をとって遊びました。そこは言わば、私たちの秘密基地でした。
あるとき、町からその川が舗装されるという計画がもちあがりました。とても悔しくて仕方なかったのですが、「写真にしておけば一生残る」と思いつき、早速カメラを持ってその川へ向かいました。しかし、すでに護岸工事は始まり、その自然は無残な姿になっていたのです。何百年、何千年とかけて育まれてきた自然が壊されているという現実を目の当たりにして、小学生にして大きな衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。それがきっかけで、身のまわりの自然を写真に残すことを始めました。誰かが一枚でも写真に残しておけば、その自然があった証拠になるのではないかと。
実際にカメラをもってフィールドに立つと、地元信州伊那谷には自慢できるほどの自然があることに気付きました。この美しい自然を写真で残したいと思うかたわら、世界中の人に見てもらいたいとも思うようになりました。そして、撮りためた写真をインターネット上に公開し始めたのが12歳のときでした。
ホームページやSNSを見てくれた皆さんがコメントを寄せてくれます。これが、私にとって一番嬉しいことです。そして、いつ失ってしまうか分からない自然を写真に残すということを使命のように感じながら、日々写真を撮っています。自然の中の「何か」を感じシャッターを押しているのか、自然の中の「何か」が私にシャッターを押させているのかは分かりません。まだ半世紀も生きていない私に、何百年、何千年と生きてきた自然のその「何か」が分かるはずはないし、分かる資格もありません。ただ、ファインダーを通して自然と向かい合うとき、自然の囁きが聞こえ素直な気持ちになれるような気がします。それがとても心地良いのです。もしかすると、その気持ちがその「何か」なのかも知れません。私はその気持ちに出会いたくて、これからも写真を撮り続けます。
Gear
Sony α7R III
Sony α7IV
Sony FE 16-35mm F2.8 GM II
Sony FE 24-70mm F2.8 GM II
Sony FE 70-200mm F2.8 GM II
Sony FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
Sony Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA
KANI Square Filter System
Really Right Stuff TFC-24L Mk2 + BH-40
f-stop Lotus 32L